豊川 暁
「明日を少しでもいい形に」
~目標とする人と一緒に働く~
持続可能な発展の支援者である。
新事業創出チーム
豊川 暁
2023年入社
大学院農学府農学専攻(修士)
- 1年目
- 中小水力発電のコスト低減・地域共生等による導入促進に向けた調査(国)
現在の所属について教えてください。
所属はサスティナビリティ・デザイン部門新事業創出チームです。新事業創出チームは再生エネルギー関連の業務に従事することが多い一方、「新事業創出」という名称の通り、チームメンバーの専門的知見や興味関心などに基づいて新しい領域にチャレンジできる環境です。当社には去年の8月中旬ぐらいに入社させていただいたので、ちょうど1年と1ヶ月くらいです。当社での業務は年度毎の区切りであることが多いので、まだ提案書作成から調査、報告書作成という一連の業務サイクルを経験できていなくて、今年度業務から提案書の作成の段階から従事し、現在は調査などの作業をしています。
前職ではどのような仕事をしていましたか。
前職ではIT企業に勤め、主にセキュリティのインシデント対応や調査業務に従事していました。大学では農学修士を取得し、就職活動の最初の方は環境系のシンクタンクやコンサルタント、建設系や公務員を主に見ていましたが、ある時ITという領域に出会いました。そこで今後、どんな仕事をするにしてもITの知識や経験は重要だなと感じる一方、当時の私にはITの知識や経験は全くなく、これはITの世界で揉まれてみる必要があるなと決意して新卒でITの会社に入社することを決めました。
入社したきっかけについて教えてください。
IT業界で働くことにやりがいや面白さは感じる一方、やはり環境という領域で働きたいという思いがあらためて強くなってきていました。そこで、現在の環境という業務領域はどんなところなのか知りたくなり、シンクタンクなど企業の面接を受けてみるなど環境系業務のリサーチを始めました。そんな中ある就活サイトで新事業創出チームに出会いました。そこには業務の話やメンバーの方の経歴などの情報が掲載されていて、それを読んでぜひ一度お話を聞いてみたいと思いました。その後カジュアル面談で伺った業務内容や面接官の話しぶりなどを受けて、働いてみたら面白そうだなと思い選考に進み、ご縁があって入社させていただきました。
もともと環境のことをやりたくてIT業界に入ったと伺いましたが、ご自身が最終的に成し遂げたいことと、実際にそのゴールに対してエックス都市研究所がどういう役割を果たしているのかを教えていただけますか。
最終的に成し遂げたいことというより、なりたい人物像になりますが、どんな種類の仕事でもこなせるようになりたいと考えています。顧客の種類や規模などによってさまざまなタイプの仕事がありますが、どのようなタイプでも任せてもらえるようなコンサルタントを目指しています。その目標に向けて、当社は最適な環境の一つだと考えています。前職までのIT企業では対応がルーティン化していた部分も多く、工夫する余地があまり多くなかったように感じていました。一方、当社では相対するお客さんが中央官庁や自治体など規模もそこで働く人のタイプも多様です。また業務で連携する事業者の方も農業系の方もいればITの人もいて、バックグラウンドが多岐にわたっていて、良い意味でカオスな状況です。まだ1年しか在籍していませんが、とても濃い時間を過ごせていると思っています。
学生時代に環境に興味を持ったとのことですが、そもそものきっかけは何でしょうか。
自分の根っこにある思い出として、幼少期にオーストラリアのケアンズに家族で旅行に行ったことがきっかけでしょうか。生まれて初めて見る美しい海や文字通り満点の星空など、自然にダイレクトに触れた感覚がとても印象強く残っていて、そこに惹かれたことが自然環境や野生動物などの世界に進んだ理由だと思います。
なぜ最終的に「ここにしよう」と決めることができたのでしょうか。
当時の面接官、今の上司に当たる方と働きたいと感じたからですね。面接時にとても理路整然と、かつ正直に話される方だなという印象を持ちました。また、単に事実を理論的に話すだけでなくこちらの知識レベルやその場の理解度を踏まえて、時折質問も入れながら説明してくださいました。面接官はその会社を代表する方ですし、中途採用である私にとってその人が入社後上司になると知っていたので、自分がコンサルタントとしてキャリアを築いていく中でこの人のようなコンサルタントになりたいなと純粋に思い、入社を決意しました。
そこは入社しても変わらず今も過ごせているということですか。
変わらないです。幸いなことに上司と仕事をする機会がたくさんあるのですが、最初に抱いていた印象は変わらずで、ギャップはないです。むしろコンサルタントとしての能力の高さに驚かされるばかりで、同じ年齢になってもその人のようなコンサルタントになれているイメージができないくらいです。
前職で培ったITに関する知見は実際に今どういった形で活かされていますか。
当社での業務では、必ずしもITは出てきません。ただ幸いなことに、去年携わった業務で1件ITの知見を活かす業務がありました。その業務は紙で対応している手続き申請をデジタル化することで効率化を図り、事業者や自治体職員の負荷を軽減しようという狙いの下、ヒアリング調査などを実施しました。そこでこれまでのITの知見を活用して、資料作成や次年度の提案などに携わることができました。今後はDXなどを通じてデジタルが再エネやまちづくりなどと連携する場面はさらに出てくるのではないかなと思っていますし、その際は積極的に取り組みたいと考えています。
基本的な一日のスケジュールを教えて下さい。
日ごとにスケジュールは異なりますが、実施している作業という観点で自分の中で意識していることは一日を三分割することです。朝メールチェックしたあと、午前中の頭がクリアなうちに資料作成などのアイディアを形にする作業をします。お昼過ぎはお昼を食べて集中力がどうしても多少なりとも落ちてきてしまうので、アクティブになるような作業を心がけます。例えば他の方に頼んでいた仕事の進捗確認、可能であれば打ち合わせを入れるといった感じです。さらに時間が経って夕方に近づいてくると疲労が蓄積して頭の回転が鈍ってくるので、事務手続きをしたり議事録を書いたり単純作業をするようにしています。
ITから環境の専門家に立場が変わったということで困難や難しい課題をどの様に乗り越えていこうといったことはありますか。
より柔軟かつ論理的な対応が求められるようになったことは、大きな変化であり業務をしていく中で難しい取組みだと感じています。ITの世界では要件定義書において細部まで仕様を詰めます。一方で現在当社で携わっている業務では、前例がなかったり参考にできるデータが無かったりと、数字的に詰めていくことが難しい場合があります。その中でも私たちが提示する案をクライアントに納得してもらうためには、いくつかの仮説を立てそれらに紐づく統計データなどをうまく組み合わせて根拠を積み上げ、お客さんの意思決定をサポートする必要があります。業務の進め方の違いにいまだに戸惑うこともありますが、周囲のサポートもあって何とかくらいついています。
求められる完成形が変わったというか、道のりも変わったということでしょうか。
変わりましたね。クライアントが提示する課題も形あるものではなく、お客さん自身も頭の中で明確に課題を把握できていない場合も多いです。そうすると同じ業務であっても、それぞれのコンサルタントが出す答えは違ってきます。どれが正解というわけではなくクライアントが抱いている課題だけでなく気づいていない課題も把握した上で、それらに基づいて最適解を導く努力をしなくてはなりません。そういった意味で常に努力が必要かと思っています。
それは報告書を書くプロセスを経験した上での実感ですか。
そうですね。報告書作成以前から、クライアントとの定例会から最適解に近づいているのか検証する必要性を感じています。なので定例会で行われる議論からしっかりと顧客の疑問や課題意識を拾い上げて、少しでも前進できているのかチェックするように意識しています。
今後社会人になる人への行動やマインドのアドバイスをいただきたいです。
世の中に出ている本にはコンサルタントとして重要なマインドとして、論理的思考力、問題解決力などいろいろ書かれていますが、個人的に一番大事なことは相手が求めているものは何かを定義することだと思っています。例えば上司から仕事を頼まれたとき、本人の中にこんなものが欲しいというある程度の成果物のイメージがあるかと思います。それをしっかりと把握し上司とすり合わせた上で行動に移すことは、とても基本的なことですが重要かと思います。その意識を持っていただければ、きっとどんな人と仕事する場合でもどこで働いても役に立つと思います。
※研究の都合でタイ訪問中だったため、弊社バンコク事務所から参加された内定者も交えたインタビュー風景
内定者インタビュアーの感想 ①
とても優秀であることが伝わってくる方ですが、優しさと分かりやすい話口でいてくださったのも印象的です。
最も重要なのは、豊川さんを射止めた上司の方です。その方にはぜひお話しを聞きたいところです。
大手ITの経験から社会人の基礎を身に着け、エックス都市研究所に入社した結果、「相手が何をもとめているか定義すること」を強調されていました。それは型にはまっていないソフトなスキルであり、何事もHuman to Humanのつながりである上、さらに自然に配慮してするために心にとどめるべきフレーズであると私は受け止めました。
内定者インタビュアーの感想 ②
豊川さんは、さまざまなクライアントに対応できるように事業を遂行したいことを長期的な目標に掲げております。前職のIT職では事業を徹底的に突き止める一方、現在取り組んでいる環境の業務は計画の上流の話のため、常に最適解を導くだけの努力をすることが大事だと仰っておりました。
特に印象に残っていることは、社会人に向けてのマインドをお伺いした際、「相手が何を求めているのかを把握する力」がコアになるポイントであるという回答から、私自身の研究活動や今後の業務に携わる中でロジカル的な考え方を一つ大事にしたいと感じました。
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