村中 梨砂
「海外、国内フィールドに廃棄物業務への飽くなき思い」
~軸はぶれずに挑戦を続けていく~
常に新しい業務・クライアントや要望に対してベストを考え、提案・実践していくことが求められるチャレンジャーである。
村中 梨砂
2009年入社
大学院環境科学学部持続的開発学科 (修士)
2005~2006年 環境系NPO法人 (インターン、アルバイト)
2007~2008年 独立行政法人国際協力機構 (青年海外協力隊派遣)
- 1年目
- 廃棄物管理能力強化技術協力(A国)
- 2~3年目
- 同上
- 4年目
- 大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクト(B国等)
- 5~7年目
- 同上
- 8年目
- 次期最終処分場整備基本構想策定支援・戦略的環境アセスメント支援業務(C市)
- 9年目
- 資源化センター更新に係る民間活力導入可能性等調査業務(D市)
- 10年目
- 育児休業
- 11年目
- 可燃ごみ処理施設整備計画策定基本調査等業務委託(E市)
大学時代学んでいたことは?
大学は中国地方にある大学の経済学部で、完全な文系でした。もともと中学の頃から途上国の仕事をしたいというのがあったので、地元の九州からあまり遠くなく、途上国のことが学べるということで選びました。卒論執筆時にたまたま太平洋の島が地球温暖化で沈んでしまうツバルの写真集を見て、これからは気候変動をやろうと思い立ち、当時気候変動で最先端であったイギリスに行こう!と後先考えずに、イギリスの大学院で環境科学の修士を1年(イギリスは1年で修士修了可能)でとりました。ただ、英語についていくだけで精いっぱいでしたね。その後日本に戻ってきました。
その後の就職活動はどうでしたか?行政と民間で迷いなどはなかったでしょうか。
そのあとすぐ当社に就職したのではなく、京都にあるNPOがインターンシップを募集しているのをネットで見て入りました。環境首都を日本に作るというプロジェクトでインターン後アルバイトになりトータルで1年半携わりました。当時なぜ民間会社に行かなかったかというと、実はひとつ受けてみましたが私がやりたいのとは違うと感じたので、インターンシップで受かったNPOの方に行きました。
そのうちどうしようかなと考えていたのですが、いとこの家に行った時にたまたまJICA(国際協力機構)の青年海外協力隊の募集チラシを見かけたんですね。それを見たら大洋州の業務も募集されているということが分かり、もともと大洋州の気候変動対策をやりたかったんだということを思い出し、応募して受かりました。サモアで二年間、処分場の改善と環境教育・啓発を行いました。それまでは漠然と途上国で仕事をしたいという思いしかなかったのですが、現地でJICAの専門家の方と関わって、自分の専門性がないとやっていけないのだという事にようやく気付きました。そこで「廃棄物」に出会い、面白いなと思い、では帰国したら途上国で廃棄物の業務をしている会社を探そう、ということで当社を選びました。
JICAつながりだと行政の方がイメージが強いのかと思いましたが、民間企業を選んだ理由は?
途上国の廃棄物業務で考えると、JICA、JICAが派遣している専門家、大学の先生など、とオプションが限られていた中で、JICAの職員になるのは狭き門で、大学で働くのは恐らく向いてないと思い、専門家の道を選びました。当社に入ったのが30才直前くらいでしたが、それまで大学院から10年くらいかけてようやく自分のやりたい方向が見つかりました。
青年海外協力隊、NPOでの経験も含め、当社入社前後でイメージのギャップはありましたか?
青年海外協力隊で専門家の方と関わった経験があったので、イメージの大きなギャップはなかったと思います。現在は環境エンジニアリング事業本部に所属しており、海外環境事業本部に7年在籍後、異動して4年目です。海外でのJICA業務は様々なパターンがありますが、チームで活動することが多いです。ひとりで行くということはあまりないですね。
新人で入ると、まず業務調整という役割で入ることが多いです。総括、副総括、車両整備専門家など色々な役割がある中で、全体の経費管理、カウンターパートとの連絡調整が主な業務になります。この下積みがとても大事なのですが、黒子の役割なので発言することはなかなかない中、カウンターパートと色々な課題や取り組みをやってみたいという思いを持ちながら、3年くらいやっていました。
自分が一歩前に出てその立場になるためには、専門家として彼らにとって参考になる日本の廃棄物処理技術や関連した法律等の知識を豊富に持っていることが必要です。質問された時にさっと答えられるようでないと、なかなか相手にしてもらえない。自分が前に出て業務を進めるというところまでは何年もかけて経験や知識を蓄積しないとだめで、長い道のりの仕事だと感じました。
最近の平均的な1日のスケジュールは?
在宅勤務メインで、コロナもあり出社は週1、2回です。子育て中ということもあり、時短勤務で他の皆さんより短い勤務時間です。在宅勤務時は8時半~16時半くらい。私以外の他の事業本部のメンバーは、通常勤務で開始は10時くらいで、終わりは時期にもよりますが19~21時くらいが多いかと思います。事業本部全体で、現在出社率は3分の1から4分の1くらいです。
研究員は就活生としては業務時間が長いというイメージがありますが、その中でどの様にモチベーション保っていますか?
私は時間的な制約があるので、いつもできるだけ効率良くやることを考えてやっています。業務内容もずっと同じ仕事というのはなく、常に新しい業務に取り組むという面白味があります。自分でまずどうやって取り組むかを考えてやっていく面白さがあり、知識が増えていくのもうれしいですね。
毎回新しい業務に取り掛かる時は、トライアンドエラーという感じでやっているのでしょうか?
仕事をみていただける上司がいるので、対応が違う時は違うと言われます。きちんと見てもらいながらのトライという感じですね。
当社内の縦の関係には満足していますか?
人を育てようと考えている上の方がとても多く、聞けばみんな喜んで教えて下さる方ばかり。入社して10年以上経っていますが、いまだにどんなことでも教えを乞えば教えて下さいます。聞くことを恥ずかしがらなければどんな小さなことでも教えて下さるので、その辺は気兼ねなくどんどん行った方がいいと思います。
現在育児中という点など、若手から中堅になっていくことでモチベーションの変化はありましたか?
部署異動のひとつの理由が結婚したことです。海外環境事業本部在籍時は一年の内6、7か月くらい海外滞在があり、それを続けるのは難しかったということがあります。一方で、国内で廃棄物に関する知識をつけたいということもあり、相談の上異動しました。
子どもができたからといってモチベーションはそんなに変わっていないですが、時間的な自分の制約がひとつできたので、どう効率良く仕事に取り組むかというのを常に考えるようになりました。
効率良く、のコツは?
今までの人生では、考えずにとりあえずやってみる、が多い傾向がありました。でも今はその前に一旦落ち着いて、まずどうすればいいのか、時間をかけて考えてから取り組むようになりました。聞く方が早い時は、割り切って周りに聞くようにもなりました。
海外環境事業本部と環境エンジニアリング事業本部のそれぞれで、1年目の自分へのアドバイスは?
すごく覚えているのが海外環境事業本部の業務の中で専門家の60代くらいの方に言われたことで、入社して3年間は苦労をしろ、というアドバイスでした。楽な道としんどい道があれば、しんどい道を選んで苦労をしろ、と言われたのがとても印象に残っています。それを自分の中でずっと持っていて、選択肢がある時に大変な方に手を挙げるようにしてきました。今振り返ると、そのように進めてきて本当に良かったなと思っています。後悔もないので、1年目の自分には「選べるならしんどい方を選ぶんだよ」と言いたいです。
環境エンジニアリング事業本部に異動した時は、初心に戻ろうと思いました。当社には既に数年在籍していましたが、環境エンジニアリング事業本部の仕事は初めてだったので、新入社員の気持ちで入ろうと思いました。自分より年下や社歴が浅い人にも教えを乞い、一からやろうという姿勢でした。海外環境事業本部の仕事内容と違いましたし、時間もかかってしまい結構大変でしたが、1年目はなんとかやり切ったと思います。今より時間も結構長く働いていましたが、1年目がんばってよかったなと思います。
最初に頑張る、というのは大事なのかなと思います。
最もやりがいがあった業務は?
正直やりがいがあったと言える業務はまだないかと思っています。まだ自分が足りないものばかりが見えています。もっとああいう知識があれば、ああいう風にやっておけば良かった、といつも思っています。
今後やってみたい業務は?先ほど後悔について言及されていましたが、改善して今後につなげたいこと等はありますか?
海外で仕事をするという自分の中の軸はぶれていないので、育児が落ち着いたらまた途上国の廃棄物をやりたいという思いはあります。環境エンジニアリング事業本部異動後も海外での業務に携わり、3か月現地に行ったこともありました。その様な業務にまた携われたらと思っています。新人の皆さんも、国内をベースでしっかりやるというのも大事ですし、もっと広く海外というエリアを見たり考えたりするのも全く違って面白いので、そういう新しい挑戦をしてみたいという思いがあるのであれば、その気持ちを大事に育てて下さい。
内定者インタビュアーの感想:
行動力や挑戦し続ける姿勢が印象的でした。考えるよりも行動してみる、とりあえず飛び 込んでみるといった思考をお持ちですが、入社前の海外留学や NPO でのインターン、JICA の海外協力隊への参加といった様々な経験をされているからこそだと感じました。過去に仕事の関係者から学んだ、「頑張りすぎるくらいがちょうどいい」という考え方も行動ファーストを後押ししているようです。
また、エックス都市研究所には質問に快く応えてくれる方が多いそうです。業務をするうえでわからないことに対し、積極的に聞くことができる環境や人間関係が整っているからこそ挑戦し続けることができるという点に、村中さんご自身だけでなく、会社への魅力を感じることができました。
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