当社研究員の東(九州事務所長)、山口(環境政策研究副本部長)が共著者として参加した共同研究論文が「Environmental Pollution」誌に掲載されました。
<論文タイトル>
Global discharge of microplastics from mechanical recycling of plastic waste
<責任著者>
鈴木剛 氏(国立環境研究所 資源循環領域 資源循環基盤技術研究室長)
<成果概要>
世界的に深刻化するプラスチック汚染の削減に向けて、プラスチックのメカニカルリサイクル推進は有効な手段の一つですが、近年、その破砕工程においてマイクロプラスチックが意図せず発生し、環境に流出するリスクが指摘されています(2017年のマイクロプラスチック発生量のうち、3.1%はメカニカルリサイクル由来)。このため本研究では、プラスチックのメカニカルリサイクルの工程のうち、破砕時のマイクロプラスチックの発生要因を明らかにし、世界のリサイクル施設由来のマイクロプラスチック発生量の現状及び将来予測を実施しました。その結果、こうしたリサイクル施設由来のマイクロプラスチックは、殆どが未処理排水とともに環境に流出し、今後特に対策を実施しない場合、世界全体における発生量が2000年の0.017Mtから2060年に0.749Mtまで増加することがわかりました。世界の地域別にみると、非OECD諸国のうち、特に中国やインドを含むアジアからの発生量が多くなっています。今後のマイクロプラスチック発生抑制に向けて、プラスチックのメカニカルリサイクルを推進するとともに、非OECD諸国を中心に水処理施設の充実を図ることが急務といえます。