日本は高度経済成長期に、水俣病に代表される、水銀による深刻な環境汚染や健康被害を経験し対策をとってきましたが、開発途上国においては現在も水銀の使用量・排出量は増えており、国際的な問題になっています。これに対処するため、国際社会の下で2013年に「水銀に関する水俣条約」が採択され、2017年に発効しました。
当社は、水銀に関する水俣条約採択のための国際交渉開始から、現在における条約の実施まで継続的な支援を行っています。具体的には、締約国会議を含む水俣条約関連の国際会議に参加し、事前の論点整理や日本が条約事務局に提出する各種英文資料の作成、議論の結果の取りまとめ等を通じて、日本政府の交渉を支援しています。また、水俣条約の義務を国内法で担保するための検討や、新たに制定された水銀汚染防止法の施行状況や水銀汚染防止計画の点検、さらには国内における水銀の流れを把握するための水銀マテリアルフローの作成・更新作業も担っています。
また、開発途上国の水銀対策を後押しするため、水俣条約の批准及び実施を促進するための意識啓発や能力強化、開発途上国の水銀対策に係るニーズ調査、日本が提供できる技術シーズに関する調査、さらには、“ニーズ”と“シーズ”をマッチングさせるための資金メカニズムを活用したプロジェクト形成等を支援しています。さらに、国連環境計画(UNEP)の世界水銀パートナーシップの廃棄物管理分野の事務局も務めています。
国際環境政策分野で働くにはどのような能力が必要ですか?
水俣条約を例にとると、条約関連会議での国際交渉支援、国内における条約の担保、途上国支援の3つの大きな業務の柱があり、化学物質に関する基礎知識だけでなく、法律や技術に関する様々な知見が必要となるため、何でも面白がって勉強するのが好きな人に向いています。
英語のレベルはどの程度必要でしょうか?
国際会議や途上国支援業務に携わる場合は、高いレベルでの英語での読み書き、聞き話す能力が求められます。また、相手から必要な情報を聞き出すためのヒアリング能力、得た情報を論理的に整理する能力もあると良いですね。エックスでは仕事を通してこれらの能力を向上させていけますよ!